クーリングオフ制度が適用除外・対象外が規定されている法律
クーリングオフ制度の適用除外事項
特定商取引法 第26条
●訪問販売、通信販売、電話勧誘販売
1.営業のための契約
営業用の契約は対象外(通常、事業・職務の用に供するために購入し、
又は役務の提供を受ける場合は本号に該当する。)
契約の相手方の属性が事業者や法人である場合を一律に適用除外とするものではない。
事業者名で契約を行っていても、購入商品や役務が、事業用というよりも主として個人用・家庭用に使用するためのものであった場合は、原則として特定商取引法は適用される。特に実質的に廃業していたり、事業実態がほとんどない零細事業者の場合には、本法が適用される可能性が高い。
2.外国に在る者に対する契約
日本国内の販売業者等と海外の購入者等との取引については、特定商取引法第26条第1項第2号で「本邦外に在る者に対する商品若しくは権利の販売又は役務の提供」を適用除外としています。
海外の販売業者が日本向けにHPなどで商品の販売を行い、国内在住者がその商品を購入する場合は、同項の適用除外には該当しないため、特定商取引法の対象となります。
3.国又は地方公共団体が行う販売又は役務の提供、
国や地方公共団体が行う場合は消費者保護に欠けることはないものと考えられるため
4.イ:特別法に基づく組合(農業協同組合、消費生活協同組合等) ロ:公務員の職員団体 ハ:労働組合がそれぞれの組合員等に対して行う販売又は役務の提供
団体の内部自治の観点から
5.事業者がその従業者に対して行う販売又は役務の提供
会社内部の問題であるとの観点から
6.一般商業紙(株式会社)以外の新聞
政党の発行する新聞、宗教団体の発行する新聞、組合等の団体の発行する新聞。
販売の勧誘目的の来訪等とその他目的の来訪等の区別を行うことが難しいため
7.弁護士の行う業務
団体の会規による消費者保護のための自律的対応が図られるとの観点から。
8.以下の49の法律については、「特定商取引法第26条及び同法施行令別表第二」により、適用除外としている。
「他の法律の規定で消費者を保護することができると認められる販売又は役務の提供」(3法律)
イ 金融商品取引法
金融商品取引業者との金融商品取引契約
(金融商品取引法37条の6(書面による解除)があるため)
ロ 宅地建物取引業法
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約
(宅地建物取引業法37条の2(申込みの撤回又は契約の解除)があるため)
ハ 旅行業法
旅行業者代理業者が行う同法第2条第3項に規定する役務の提供
二 政令
・金融取引に関するもの(20法律)
第一種金融商品取引業、銀行業、保険業など、金融取引に関する役務
(具体例)有価証券の貸借、預貯金、保険の引受など
・通信・放送に関するもの(2法律)
電気通信事業、放送事業など、通信・放送に関する役務
(具体例)電話・インターネット接続サービス、ケーブルテレビ、衛星放送など
・運輸に関するもの(9法律)
航空運送、陸運、海運など、輸送機関によって乗客や貨物を輸送する役務
(具体例)航空運送事業、鉄道事業、バス・タクシー等の運送、フェリーの運送など
・法律に基づく国家資格を得て行う業務に関するもの(7法律)
公認会計士、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、税理士、社会保険労務士、弁理士
・その他の類型(8法律)
商品先物取引、自動車整備業、信用購入斡旋、倉庫業、裁判外紛争解決手続など
・契約の締結後直ちに履行された場合については、適用しない。
政令第6条において以下の4種類の役務について提供される場合が規定されている。
全部の履行が契約の締結後直ちに行われることが通例である役務の提供
1.いわゆる海上タクシー等による輸送
2.飲食店での飲食の提供
3.あん摩、マッサージ等の施術
4.カラオケボックス等の利用
これらの役務の性質上、事業者にとって提供を遅らせるというようなことが実質的に不可能であり、仮にクーリング・オフを認めた場合には、役務が提供されているにもかかわらず、消費者から対価が得られない状況となり、過度な事業者負担を生み出すこととなることから、クーリング・オフの適用除外とした。
クーリング・オフ規定のみ適用が除外される類型
購入に際して販売条件についての交渉が時間をかけて数次にわたって行われ、
購入者の購入意思が安定的であるのが通常
自動車販売、自動車リース(政令第6条の2)
日常生活において必要不可欠であると考えられる役務の提供
電気・ガス・熱の供給契約(政令第6条の3第1号から第3号)
突発的に発生した事項に対応するために必要となる役務の提供
葬式(政令第6条の3第4号)
使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として
政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき
(政令第6条の4 別表第3に掲げる商品)
消耗品を「使用又は消費」してしまった場合
書面に「クーリング・オフできない」旨の記載がない場合、販売業者は第26条第4項第1号を理由に第9条又は第24条の適用除外を主張することはできない。
一 健康食品
二 不織布および幅が13センチメートル以上の織物
三 コンドーム及び生理用品
四 防虫剤、殺虫剤、防臭剤及び脱臭剤(医薬品を除く。)
五 化粧品、毛髪用剤及び石けん(医薬品を除く。)、浴用剤、合成洗剤、
洗浄剤、つや出し剤、ワックス、靴クリーム並びに歯ブラシ
六 履物
七 壁紙
八 配置薬
品質の低下により価額が著しく減少するおそれがある商品として
政令で定めるものを引き渡されたとき
(現在、政令で定めなし)
売買契約に係る商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る
役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
(政令第7条で3千円と規定)
巡回訪問するご用聞き的取引(訪問販売)
店舗事業者の固定客取引(過去1年間に取引があった場合に限る)訪問販売
無店舗事業者の固定客取引(過去1年間に2回以上取引があった場合に限る)訪問販売
事業所の管理者の書面による承認を受けて行う職場訪問販売
業者が自らの意志に基づき電話をかけて勧誘を行うのではなく、消費者の請求に応じて電話をかけて電話勧誘販売を行う場合。(事業者が電話勧誘販売契約の締結について勧誘するものであることを告げずに請求させる行為を除く。)
事業者が継続的取引関係にある顧客にたいして行う電話勧誘販売。
(過去1年間に2回以上取引があった場合に限る)
●電話勧誘販売
・契約の申込みの撤回または契約の解除(クーリングオフ制度)(法第24条)
法定書面を受け取った日からから数えて8日間以内
●連鎖販売取引
・契約の解除(クーリングオフ制度)(法第40条)
法定書面を受け取った日(商品の引渡しの方が後である場合には、その日)から数えて20日間以内
●特定継続的役務提供
契約の解除(クーリングオフ制度)(法第48条)
法定書面を受け取った日からから数えて8日間以内
●業務提供誘引販売取引
契約の解除(クーリングオフ制度)(法第58条)
法定書面を受け取った日から数えて20日間以内
●訪問購入
契約の申込みの撤回または契約の解除(クーリングオフ制度) (法第58条の14)
法定書面を受け取った日からから数えて8日間以内
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